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コーチングスキル【傾聴】の3つの目的と7つの技法

Coaching communication

コーチングスキル知りたい人:コーチングスキルの傾聴の目的と技法を詳しく知りたい。クライアントが満足できるような傾聴力を身に付けたい。

本記事では、下記の内容を解説します。

本記事の内容

1.コーチングスキル【傾聴】の目的と技法
2.合わせて知っておきたい【傾聴を妨げる原因5つ】

この記事を書いている私は、一部上場企業など様々な研修でコーチングやコミュニケーションをお伝えしていますが、35歳までコミュニケーションが下手クソで失敗や苦労を沢山してきました。しかし、コーチングを学び、実践し、知ることで飛躍的に上達したので、そのノウハウをみなさんにお伝えします。

コーチングスキル【傾聴】の3つの目的と7つの技法

傾聴の3つ目的とは?

①クライアントの中に自尊感情を育むための傾聴
②クライアントに発話思考を生み出すための傾聴
③クライアントとの間にラポールを築くための傾聴

①クライアントの中に自尊感情を育むための傾聴

コーチが真摯に聴くということは、クライアントを「受けとめる」ということにつながります。

それは、クライアントの中に、“自分という存在は尊く価値があるものだ”という自尊感情を生み出します。この実感が、クライアントの生きる力を高めます。

②クライアントに発話思考を生み出すための傾聴

人間の機能として、人は相手に話しながら自分と対話し、考えを整理しアイデアや気付きを生み、意志を決めます。

コーチが何かを判断するために聴くことよりも、クライアントに発話思考を生み出すことを優先するために傾聴します。

③クライアントとの間に信頼関係を築くための傾聴

クライアントへの好意・関心、誠意・敬意などを持ち、言葉や表情、態度の両面で「心の架け橋」がかかっている状態を作るために傾聴します。

スキルを活かすための目的やビーイング

スキルや方法だけでは本当の傾聴にならないと考えています。スキルや方法を活かすためにはビーイング(コーチのありかた)がとても大切です。

ビーイング「コーチのあり方」としては「クライアントと共鳴すること」「「クライアントから信頼感を獲得すること」があって初めてコーチングが機能すると考えています。

そして、信頼感の基盤となるコーチのあり方は、クライアントに対して「尊敬と祝福」を充分に持つことだと確信しています。

「尊敬と祝福」とは、コーチングの世界で言われる「敬意と承認」を深めた言葉です。「承認」はとても重要な概念ですが、マインドセットにすると「承認をすること」に意識や姿勢になりがちです。

それよりも、「クライアントの人生に幸あれ」という思いを底流に持ちながら相手の話を傾聴し、コーチの私とクライアントの間に生まれてくる関係を祝福しながら聴くことを今も大切にしています。

7つの傾聴技法

①100%味方でいる
②全身で聴く
③相手の感情に焦点を当てる
④沈黙を観察し、大切にする
⑤安易な、思い込みの励ましやアドバイスをしない
⑥鏡のように反射し明確化する
⑦80:20の法則

①100%味方でいる

支持するということは、100%味方であるという立場をとるということです。相手の存在、話し、気持ちをあるがままに受け止めるということです。支持することにより話し手は、自分自身を肯定的に見ることができ自尊感情が高まります。そして、冷静に現状観察や自己観察をすることが可能になります。

②五感を使って全身で聴く

人の話に耳を傾けるということは、単に耳で聴くということ以上のものです。五感や直感の全てを使って聴くということです。そして、全身で聴くという聴き手の態度により、話し手は自分の話に耳を傾けてもらっているという実感をもつものです。

③相手の感情に焦点を当てる

相手の言葉や表情の背後にある「感情」に注目する。話し手の言葉の行間に隠された感情に焦点を向けながら聴くことです。相手の非言語(表情・目線・しぐさ・声など)の変化からも本当の気持ちを察知しようとすることです。人の真意は、言葉よりも言葉以外(非言語)に含まれているものです。

④沈黙を観察し大切にする

沈黙を恐れることから離れて、その意味を落ち着いて観察する。沈黙を大切に扱い、その沈黙の中に共にいることで、豊かな深い会話をつくりだすきっかけになるものです。

⑤安易な思い込みの励ましやアドバイスをしない

相手が本当に求めていることがわかるまでは、早い段階で何かを伝えることは、「聴かれていない」、或いは「わかってもらえていない」という感情を生み出す可能性が高いものです。また、相手の話をさえぎることで真意を語る機会を逸することもあるでしょう。

⑥鏡のように反射(オウム返し)し明確化する

話し手の言葉を鏡で反射するように相手に返します。相手の心を映し出す鏡となるのです。これが、相手の話を促進することにつながるのです。また、話し手は自分の中から出てきた言葉を他人の声で再び聴くことによって、自分の内面を客観的に見ることができるようになり、次第にまたは突然、それまで漠然としていた自分自身の姿に気づきます。これらが明確化ということです。

⑦80:20の法則で聴く

「喋る量は相手が80%、自分が20%」相手に80%喋ってもらうように対話を進めます。自分が喋ることも役立ちますが20%に留めるようにしましょう。

●まとめ:コミュニケーションの質を決める関係性
コミュニケーションやコーチングの成果は、育成する側と育成される側、二人で協力しあって築きあげる「関係性」にかかっています。そして、その責任は双方にあります。コーチが「私に力がある」という考えから、【双方の関係性に力がある】という考えに転換する必要があります。

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傾聴を妨げる2つの原因

①沈黙に対する恐れ

沈黙を恐れるとき、傾聴はできません。沈黙に耐えきれずにこちらが話してしまい、相手が語る機会を奪うことになるからです。相手の沈黙の意味・・・その沈黙が何を語っているのか・・・を落ち着いて観察することが、恐れを軽減させることに繫がります。

沈黙の意味

・自分の考えや気持ちを整理している沈黙
・満足と充実感、歓びを味わっている沈黙
・苦しい、悲しいなどの感情が強く言葉にならない沈黙
・相手の反応を待つ沈黙
・気乗りしない対話やテーマに対する沈黙

②思い込み・批判・判断

関心を持たない

“どうせたいしたことは言わないだろう。聞いても仕方がない”

すぐに結論を出す

“あの人が言いたいことはもう分かっている”

自分の期待や思い込み

“あぁ、わかった、わかった。結論は・・・ということだろう”

嫌な部分に耳を塞ぐ、反発する

“はい、はい、はい”

先走って考える

相手の話を聴きながら次々と考えやアイディアを浮かべ、自分が話したくなる

評価し、間違いを修正しようとする

“それは違うのでは・・・” “どうも分かりにくい話し方だ”

自分の正しさや有能さを示したい

“あっ、その件は私がよく知っている” “それは・・・ということだよ”

まとめ:コミュニケーションの質を決める関係性

コミュニケーションやコーチングの成果は、育成する側と育成される側、二人で協力しあって築きあげる「関係性」にかかっています。そして、その責任は双方にあります。コーチが「私に力がある」という考えから、【双方の関係性に力がある】という考えに転換する必要があります。

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